高齢ウサギの手術について
2015.8.5 -[その他・院長のつぶやき・飼い主様お役立ち情報]
こんにちは、井本稲毛動物クリニック 院長の井本です。
うだるような暑さが続いていますね…動物だけでなく人間もまいってしまうほどです。
先日、9歳を超えたウサギさんの手術をさせていただきました。
今まで元気も食欲も問題なかったのですが、ある日突然ペットシーツに大量の血が…。
検査の結果、子宮からの出血が疑われました。
手術のメリット・デメリットをよく説明したうえでリスクを納得していただき、御家族相談のうえで手術を希望されました。
体重の10%近くまで大きく膨れた子宮を卵巣と一緒に摘出し、病理検査に提出します。
病理検査とは、摘出した臓器に「悪性の細胞」…すなわち、「ガン」なのかそうでないのかを調べる検査です。
結果は子宮の1部分にガン細胞が見つかりました。
しかし幸いにもまだ小さく、子宮はガン細胞と一緒に完全に切除することができました。
結果論ですが、もし手術をしなければガン細胞はやがて子宮以外の臓器に転移します。
…肺が最も転移しやすく呼吸困難など、とても辛い症状に悩まされることになったかもしれません。
高齢ウサギの手術ですから、若い子に比べれば当然リスクも高くなります。
しっかりとご家族の間で相談を重ね、悩み抜いたうえで手術を決断してくださった飼い主様に感謝したいと思います。
同時に、ウサギの女の子における避妊手術の重要性を改めて感じました。
このような事例もあるため、若くて健康なうちに避妊手術をおこなうことは高齢になってからの重大な病気の予防にもつながります。
当院では病気の予防を兼ねてウサギさんの避妊手術をおこなっております。
お悩みの方はぜひ一度ご相談くださいませ。
井本稲毛動物クリニック