お知らせ

ハリネズミの歯周病

2016.10.6 -[ハリネズミの診療記録院長のつぶやき飼い主様お役立ち情報

おはようございます、井本稲毛動物クリニックの井本です。

 

今回は意外と多いヨツユビハリネズミのお口のトラブルの症例についてご紹介です。

1歳10ヶ月の女の子。

主訴は口臭と、口から膿のようなヨダレが出ている、食欲もないとの事でした。

 

 

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口の中を確認してみると前歯の歯茎が痩せて、写真右側奥歯の歯茎は赤く腫れ上がっています。

臭いもかなりの悪臭を放っていました。

下顎もかなり腫れて変形してしまっています。

歯石を除去し、ぐらぐらしている歯は抜いてしまいます。

抗生剤と痛み止めを処方してこの日は一旦処置を終了します。

 

 

 

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約1週間後、顎の腫れはおさまり食欲も出てきました。臭いもほとんどありません。

再検査中に綿棒の先にある奥歯も周りが腫れて、とてもぐらついているのがわかりました。

ヨツユビハリネズミの口の中は細菌が多く、歯の根っこで感染を起こしている可能性があります。

 

 

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抜歯が完了しました。

あとはまたしばらく抗生剤の痛み止めを内服してもらいます。

 

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抜歯したヨツユビハリネズミの奥歯です。

口の中に見える歯はほんの一部で、大部分は歯茎のなかに埋まっています。

この歯と歯茎の隙間に食べカスと口のなかの菌が蓄積されていくことによって歯周病が起こるのです。

 

 

今回のハリネズミちゃんはお口の処置を終えたあとは腫れもおさまり元気にご飯を食べてくれるようになりました!

まだ2歳前でまだまだ若いのに、歯周病は起こり得るのです。

とはいえ針だらけのヨツユビハリネズミの歯のケア、歯周病の予防はいったいどうすればよいのでしょうか。

 

答えは…「虫」を食べさせることです。

本来ヨツユビハリネズミは「食虫目」といって野生化では基本的に甲虫やチョウの幼虫、ミミズ、カタツムリなどの小さな虫をメインに食べていると考えられています。

身近で手に入りやすいミルワームの外皮やコオロギの外骨格は繊維質に富んでいて、噛むことによって歯についた歯垢を除去してくれる効果が期待できますので、ぜひ食べさせてあげてください。

 

…まれにですが「虫は気持ち悪くて無理!」という飼い主様もおられます。

そこはどうかハリネズミへの愛で克服してもらえませんでしょうか。

歯の健康のため。

そして何より本能的に喜ぶ子も多く、鼻息を荒げながら一生懸命に虫を探し、見つけた時の食べっぷりを見ると

「あぁ、やっぱりこの子逹は虫が好きなんだ」と思わざるをえません。

動物本来の喜びや幸せを呼び覚ますものとしてぜひ虫をあげたことのない方はあげてほしいなと思います。

 

とはいえ、そのへんの公園や庭にいる虫を捕まえてあげることはやめてください。

寄生虫や病原菌を持っている可能性がありますので…。

 

井本稲毛動物クリニック
井本 暁

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