セキセイインコのPBFD(オウム類の嘴・羽毛病)
2016.11.17 -[その他・小鳥の診療記録・飼い主様お役立ち情報]
こんにちは、井本稲毛動物クリニックです。
今回は数ある病気のなかで非常に恐いセキセイインコの感染症をご紹介したいと思います。
それは…通称「PBFD」と呼ばれる病気です。
正式な病名はオウム類の嘴・羽毛病(Psittacine Beak and Feather Disease)と言います。
サーコウイルスという名前の、非常に小さいウイルスが原因で起こる病気です。
ちなみにこのPBFDですが、鳥以外の動物に感染することはありません。
その名の通り、羽毛に異常が見られます。
セキセイインコでは初期に風切羽と尾羽に症状が出現します。
写真のセキセイインコちゃんは生後2〜3ヶ月。
尾羽と、初列の風切羽が何枚も抜けていました。
尋常ではないほどの脱羽と元気がないとのことで来院です。
抜けた羽を持参してもらうと…羽軸にくびれ、ねじれ、黒い変色(血班)が見られます。
このような羽の抜け方は異常で、ウイルスによって羽毛の変形や壊死が引き起こされているのです。
残念ながらPBFDに対する効果的な治療方法は見つかっていません。
鳥自身の免疫力を高め、二次感染を予防することを治療方針として投薬をおこないます。
発症初期であれば改善する例もありますが、、発症してからある程度時間が経ってしまうと予後が悪くなります。
そのため、異常な羽の抜け方をしてる場合はなるべく早く動物病院の診察を受けてください。
3歳以下の若齢の鳥で感受性が高いとされているため、特にショップやブリーダーさんからおうちへやってきたばかりの幼鳥や若鳥は健康診断も兼ねての早期検査をおすすめします。
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
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