お知らせ

犬の頚部痛の鍼治療、漢方治療について

2017.3.3 -[その他鍼治療飼い主様お役立ち情報

こんにちは、井本稲毛動物クリニックです。

少しずつ暖かくなってきて春が待ち遠しい頃ですね。

 

今回は震え、落ち着かない、散歩に行きだがらない、などといった症状に悩む5歳のキャバリアの女の子のご紹介です。

 

近くの病院にて腰痛の可能性を指摘されて痛み止めやビタミン剤を処方されましたが、何度か繰り返してしまうとの事。

お話をじっくり聞いて、身体検査や神経学的検査を実施してみると、首のトラブルが疑われました。

 

キャバリアに限らず、特にポメラニアンやチワワ、パピヨン、トイプードルといった小型犬においても首のトラブルは意外と多いのです。

病名を挙げればキリがありません。

一番有名かつ代表的な首のトラブルといえば首の「椎間板ヘルニア」でしょう。

最近は動物医療においてもMRI検査の発達に伴って様々な首の神経の病気がわかるようになってきました。

しかし首のトラブルは椎間板ヘルニアだけではないのですね。

 

原因は様々ですが、共通しているのは「首の神経の圧迫」です。

その結果、震え、落ち着かない、散歩を嫌がる、などの症状が出現します。

抱っこをした時に悲鳴をあげる、というのもよく聞く症状のひとつです。

おうちのワンちゃんに当てはまりませんか?

もし当てはまるようでしたら要注意です!

 

動物の痛みの評価はとても難しいです。

(何故なら犬は「ぼく、わたしはここがこんな風に痛むんだ」とは言ってくれません…)

 

電気の走るような鋭い痛みが突然襲ってくるケース。

ズキズキした鈍い痛みが漫然と続くケース。

 

突然悲鳴を挙げたり、震えたりするのはこれらが合わさって起こっているのでは、と私は考えています。

犬は何故痛いのかが理解できません。それでも突然襲ってくる痛みや、漫然と続く痛みには「恐怖」を感じます。

本当は痛いのに、我慢強い性格の子は黙して耐えることもあるのです。なんだかかわいそうですね。

 

西洋医学ではステロイド、NSAIDsと言われる消炎鎮痛剤、ビタミンB群の配合されたビタミン剤などが処方され、

お散歩も禁止され、安静を指示されることがほとんどと思います。

 

しかしこれらの症状には鍼治療が効果的なのをご存知でしょうか。

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犬における鍼治療の実際の様子です。

ツボはもちろんですが、直接体を触って凝り固まった場所にも打つこともあります。

鍼を打って待つこと10分…

 

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施術を終えてスッキリしたところです♪

この子は何度か通院して鍼と同時に動物用漢方薬を併用することで慢性的な震え、動けない、といた症状が緩和されました。症状が緩和されたら筋肉を落としてほしくないので、ある程度は積極的にお散歩に行ってもらうようお話しています。首や腰が悪いからお散歩を控えてください、というのはワンちゃんにとってはかわいそうですよね。

鍼も漢方も動物の体にとって優しい治療です。

今回の記事のような事例は、鍼と漢方がとても力を発揮できる領域ですので、ご興味のある方は当院へお問い合わせください。動物と、その飼い主様にとってそれぞれ最適な治療法をご相談させていただいております。

 

井本稲毛動物クリニック

井本 暁

 

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