フェレットの毛球症・消化管内異物・腸閉塞
2017.6.25 -[その他・フェレットの診療記録・飼い主様お役立ち情報]
こんにちは、井本稲毛動物クリニックです。
繁忙期で忙しく、なかなか更新できずにおりました…。
ジメジメした天気によって梅雨が本格的になってきましたね。
今回ご紹介するのは、フェレットの毛球症、消化管内異物、腸閉塞についてです。
フェレットは元々、詮索好きな動物なのでお部屋に話して遊ばせる方も多いと思います。
フェレットを多頭飼育している方もおられますが、お部屋で遊ばせている間は十分に監視できていないこともあります。
異物の誤食はそういう時にこそ起きてしまうんですよね…。
フェレット達はゴム製品、床に敷くマットの欠片、スポンジなどを好んで噛む傾向があるため要注意です。
他にも布製品、アクセサリー(ピアスなど)類、プラスチック製品なども注意しなければいけません。
レントゲンで異物は見えるのでしょうか?
残念ながら金属でできた物以外はレントゲンで映ることは稀です。
これらのレントゲン写真は毛球が胃の出口〜十二指腸に詰まってしまった時の様子です。
毛球も異物も、物理的な閉塞を起こすと突然の食欲不振、元気消失、腹痛などがみられ時には虚脱状態に陥ることもあるため、そのような場合には迅速な静脈点滴と、時には開腹手術が必要になります。
一方でこちらは腸閉塞を起こしていたものの、一日点滴をして消化管運動促進剤の投与によってなんとか毛球を自分でウンチと一緒に出してくれた写真です。(ウンチの写真、申し訳ございません)ご家族は手術せずに腸閉塞が解除されたのでお喜びでした。
血便も一緒に出ているのがわかりますでしょうか。
この子は数日、消化管内で出血した証拠でもある黒い便が出ました。
誰だって手術せずに治るのならそのほうがいいですよね。ただ…なんとか開腹手術をせずに出てくれるケースもありますが、それはどちらかというと稀です。
お部屋で遊ばせている間はなるべく目を離さないでくださいね。
毛球対策としましては、やはり日々のコミュニケーションも兼ねてブラッシングを定期的にしてあげてください。
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
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