フェレットの肘関節脱臼
2017.9.29 -[その他・フェレットの診療記録・飼い主様お役立ち情報]
おはようございます、井本稲毛動物クリニックです。
暑さもやわらぎ虫の音も心地よく秋が本格的に近づいてきましたね。
繁忙期のためしばらく更新が滞ってしまいました。
その間来院されました症例紹介を少しずつ再開していこうとおもいます。
今回ご紹介するのはフェレットの肘関節脱臼です。
生後半年のまだ若いフェレットちゃんが前足を引きずって歩くとのことで来院されました。
実はフェレットではウサギやハムスター、インコや文鳥など他のエキゾチックアニマルに比べて
骨折や脱臼が見られることは滅多にないのです。
ですが、今回は左前足が完全に浮いた状態で地面に足をつけない状態であったため
整形疾患を疑い、レントゲン検査をおこなうことになりました。
生後半年の若いフェレットちゃん、まだまだやんちゃ盛りですね。
検査の結果、左側の肘関節が脱臼していることがわかりました。
飼い主様の留守中の出来事であったため、何が原因かは定かではありませんが…、
ケージの隙間に引っかかった拍子に体をひねって外れてしまったのではないかと思われます。
脱臼の整復は痛いです。
そのため鎮静もしくは麻酔が必要となりますので、眠ってもらった状態で整復することにしました。
「ガコっ」と外れた関節がはまる手応えを感じたのち、確認のためレントゲンを撮ります。
外れた関節が無事に元に戻ったのが確認できました。
伸縮性の包帯を使って肩関節から肘までを固定します。
一度脱臼をしてしまうと、その後再び脱臼しやすくなってしまいますので
炎症がおさまるまでしばらくのあいだは消炎鎮痛剤とケージ内での安静が必要です。
フェレットの肘関節脱臼は特に若い子に発生することがあります。
「歩き方がおかしいかな?」と思うようなことがあればお早めに動物病院を受診されてくださいね。
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
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