ウサギの子宮腫瘍
2017.10.13 -[その他・ウサギの診療記録・飼い主様お役立ち情報]
寒暖差が激しく秋雨が肌寒い今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
井本稲毛動物クリニックです。
本日ご紹介させていただきますのはウサギの子宮の病気です。
6歳4ヶ月の女の子、ミニウサギちゃんです。
ご自宅近くの動物病院でホテルに預けていた最中に出血したとのことで急遽当院へ来院されました。
高齢ウサギの血尿はほとんどが子宮からの出血であり、
中には子宮の癌が肺に転移していることがあるからです。
検査の結果、肺に転移している様子はなく血液検査でもそれほどひどい貧血ではなかったため、
手術可能と判断しました。6歳ともなると手術に躊躇される方もおられますが、
最近のウサギの寿命は一昔前に比べて格段に伸びています。
ウサギの避妊手術の普及、良質なラビットフードの出現などが挙げられますが、
一番の理由は、ウサギが家庭内において犬猫と同様に大切な家族の一員とされることが増えたからだと個人的には思っています。
嬉しいことですね。
この子も手術が無事に終わればまだまだ元気で暮らせる可能性がありましたので、
飼い主様も前向きに手術を検討されたうえでご決断くださいました。
※そのままでは生々しいため写真は加工してあります。
子宮の一部は厚く腫れてしまい、中には血のような液体が充満していました。
食べてくれれば一安心!手術後に麻酔から覚めて大好きなキャベツを頬張る様子です。
無事に乗り切ってくれてほっとしました。
後日帰ってきた病理検査の結果は、悪性腫瘍が子宮の一部に認められたとのことでした。
これからは定期的に検診が必要となります。
ウサギは他の動物種に比べて子宮が悪性腫瘍化する確率が非常に高いため、
当院では何か特別な理由が無い限りは必ず避妊手術をおすすめしています。
ウサギの健康な日々のためにも、できるだけ1歳になる前に避妊手術を受けてくださいね。
怖い病気の予防につながるのであれば、うちの子も避妊手術を受けさせてあげたいな、と思いませんか?
そして、ウサギに避妊手術を受けさせようかどうか悩んでいるうちに3歳、4歳、5歳を迎えた子でも
「高齢だから…」というだけの理由で避妊手術を諦めないで欲しいと思います。
まずはご相談ください!
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
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