ハリネズミの嵌頓包茎
2016.10.21 -[その他・ハリネズミの診療記録・飼い主様お役立ち情報]
こんにちは、井本稲毛動物クリニックです。
今回もハリネズミの症例をご紹介致します。
嵌頓包茎とは、ペニスが出たまま元に戻らず腫れてしまった状態のことを言います。
ペニスは包皮で包まれていますが、腫れてしまうことによって包皮で締め付けられてしまい、元に戻れず更に腫れてしまう…という悪循環が生じてしまいます。最悪の場合はペニスを切断せざるを得ない状況も招きかねない危険な状態です。
指先に輪ゴムを巻きつけて締め付けると指の先が紫色になると思いますが、それと同じことがペニスで起きてしまいます。
さらに時間が経つと血流が障害されて壊死してしまいます。
今回の症例は、生後5ヶ月の男の子。
3〜4日前より陰部が腫れているのに気付いたとのことです。
包皮の中から真っ赤に腫れ上がった陰茎が飛び出ています。
先端には床材が付着していました。
なんとか元に戻した後、包皮の先端を糸で少しだけ縫い付けて腫れが治まるのを待ちます。
抗生剤と消炎剤を処方して1週間後に糸を抜いて腫れが無いかどうかを確認しますが…
どうやら大丈夫な様子、ひとまず治療は無事に終了となりました。
床材や砂が包皮の隙間に挟まってしまいこのようなことになることが少なからずあります。
砂浴びをする子がみんなこうなってしまうわけではないのですが、砂浴び大好きな男の子は少なからずこういったリスクを持つことになりますので少し考えものかもしれません。
床材も色々なものがありますが、一度こうなってしまったらまた同じようなことが起こるかもしれませんので床材の見直しも大切です。
ハリネズミの男の子でペニスが腫れていたのを見たらなるべく早くに動物病院へ連れて行ってください。
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
このページに記載されました内容および写真は無断転写・転用をお断りします。
著作権は井本稲毛動物クリニックまたは情報提供者に属します。