デグーの不正咬合
2017.1.13 -[その他・デグーの診療記録・飼い主様お役立ち情報]
こんにちは、井本稲毛動物クリニックです。
新年明けましておめでとうございます。
本年もスタッフ一同、動物たちとご家族の皆様のために精一杯のお手伝いをさせていただければと存じます。
数年に1度の寒波がやってくるようですので暖かくしてお過ごしくださいね。
今回ご紹介するのはデグーマウスの不正咬合…歯の噛み合わせが悪くて食欲を無くす病気です。
デグーのみならずウサギ、モルモット、チンチラ、リチャードソンジリスなど
小型の草食動物では非常に発生が多いのをご存知でしょうか?
食欲がない、体重が減った…などの理由で動物病院に彼らが来る時には必ずと言っていいほど歯を確認しなければいけません。
口の中を確認してみると…口の奥、写真の右側ベロの根っこの部分が内側に向かって伸びた歯によって押されています。
その手前の奥歯は内側に向かってまるでトゲのように鋭利に伸びており、なんとベロに刺さっています。
これは…痛そうですよね。
物を噛むたびに、ベロに尖った歯が当たる…ゴハンのたびに痛い思いをする…。
これではストレスで胃腸の動きも悪くなってしまいます。
彼らは草や木の皮など、固いものをかじり粗食に耐えるよう進化してきたので歯は生涯伸び続けるのです。
私たち人間には歯が伸び続ける…というのはあまりピンとこないかもしれませんね。
間違った方向に伸びてしまうと口の中を傷つけたり、ベロを圧迫してうまく飲み込めなくなったりしてしまいます。
草食獣は歯が命。
予防には牧草をたくさん食べさせてあげること、オヤツや柔らかいペレット(固形のゴハン)を控えることが挙げられます。
デグーに限らず、ウサギ、チンチラ、モルモット、リチャードソンジリスなどがおうちで食欲がなくなったり、
口からよだれをたらしていたり、食べたそうにしているけど食べられない…などの症状を見たら
大至急、動物病院へ連れて行ってあげてください。
少しずつではありますが今後も症例をブログでご紹介していきますので、少しでも皆様のご参考になればと思います。
井本稲毛動物クリニック
井本 暁
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