お知らせ

寝たきりの犬に実施した鍼治療

2018.1.26 -[その他鍼治療飼い主様お役立ち情報

最強寒波襲来のおかげで非常に寒くなっていますね、みなさまあたたかくしてお過ごしでしょうか?
井本稲毛動物クリニックです。

今回ご紹介させていただくのは、
寝たきりになってしまったミニチュアピンシャーの男の子、9歳です。

近隣の動物病院で首のヘルニアと診断されて内服薬を処方されていましたが改善が乏しく、しかし何とか手術はせずに治してあげたい、との想いから当院にて鍼治療をご希望されました。
約1ヶ月もの寝たきり生活で筋肉は萎縮しており、特に前足が重度で、腕は突っ張ったままです。

何とか補助して立たせて鍼を打っていきました。

施術の様子です。
もちろん支えがなければ立てません。
まずは週2回の通院で鍼治療と、動物用漢方薬を処方していくことになりました。

当院で処方する動物用漢方薬は
・足腰の虚弱
・筋力低下
・歩行困難
・関節の痛み
・筋肉痛
などに効果を発揮するものがありますので鍼治療と同時に必ず併用します。

よくある質問ですが、「どのくらいで歩けるようになりますか?」
と聞かれることが多いです。
その場合、寝たきりや麻痺を生じた期間の倍はかかります、といつも飼い主様にはお伝えしておリます。
今回のケースですと、約1ヶ月は寝たきりですから
歩けるようになるまでは最低でも2ヶ月かかると思ってください、とお話しました。

愛犬が歩けなくなる…なんて事態は経験しないのに越したことはありませんが、椎間板ヘルニアで歩けなくなってしまったワンコがどの程度で良くなるかの指標としてご参考になればと思います。
本当は動画で経過をお見せしたいのですが、箇条書きのみでご容赦ください。

最初の1週間で、効果はまず後ろ足に出てきました。
なんと、うんちの時に後ろ足に踏ん張りが出てきたとのことです。

2週間で後ろ足が徐々に動くようになってきました。

3週間で横向きの寝たきりだった状態が、伏せになることが可能に。
    この時、まだ前足は突っ張ったままです。

4週間でようやく前足に力が入るようになり、少し立てるように。

5週間でよろよろするが歩けるようになりました!

7週間でお外での散歩が可能になったのです。

現在は週1回の施術として、たくさんお散歩に行って筋肉をつけてください、とお話しています。
少しずつ鍼を打つ間隔を伸ばしていき、やがて終了とします。
目に見えて良くなっていく様に喜ぶ飼い主様の姿を見ると私たちも嬉しくなります。

大事なワンちゃんが椎間板ヘルニアと診断されて、
歩けなくなってしまったり、寝たきりになってしまった…。
そんな時は鍼治療も選択肢のひとつとしてお考えいただければと思います。

井本稲毛動物クリニック
井本 暁

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